あきらめないで!手足のない彼女がエール
誰もが役割をもって生まれてくる
不便だけど不幸じゃない
生まれつき手足がない障がいを乗り越えて皆に笑顔を送る、愛知県豊川市出身の佐野有美さん。高校時代は〝車椅子のチアリーダー〟として活躍し、今年は念願の歌手デビューを果たして日本レコード大賞「企画賞」を受賞しました。
先天性四肢欠損症
私には、ほとんど手足がありません。あるのは、短い左足の先に3本の指。それでも自分で食事もできるし、携帯メールも打てる。字も書けるんです。
先天性四肢欠損症。指が5本そろっていなかったり、手先や足先がなかったりなど、生まれつき四肢に欠損がある。私はその中でも重いほうでした。
私が生まれた時、母は涙が止まらず〝夢〟であってほしいと願い、父は、寝ている私の口をふさごうと。その時、私が目を覚まし、父はわれに返ったそうです。「現実を嘆くよりも、生きるすべを考えよう」と。
そして母も、「欠けているは有美の手足じゃなくて、私の勇気なのかもしれない」と思い、「宿命を使命に変えて生きる」ことを誓ったといいます。
かわいそうではない
幼いころの私は「他の子と体が違う」なんて思っていなかった。3本の足の指を使い、おもちゃで遊んだり、食事したり。
ところが、保育園に入って一番悲しかったのは「あの子かわいそう」という言葉です。
でも、幼稚園では人気者で友だちもたくさんできたし、大きくなっても同じこと。別に、〝かわいそう〟ではありません。不便ではありますが、不幸ではないんですよね。
肌の色の違いや、太っていたり痩せていたり、手足や目や耳が不自由だったり、病気で寝たきり、車椅子など、さまざまな人がいることを知って欲しいと思います。
太陽みたいな笑顔で
高校でチアリーディングと出会え、卒業後は就職。今年はCDデビューをして、アルバム「あきらめないで」でレコード大賞の「企画賞」を頂くことができました。
腕で抱きしめることはできなくても、声を通して人に勇気付けることはできます。
多くの人に支えられてきた私ができることーーーそれは〝太陽みたいな笑顔〟で、皆を元気にすること。そして何より「諦めず、今を一生懸命生きること」だと思います。
この体に生まれたことを、両親のせいにしたことはありません。なぜなら、「人は誰もが役割をもって生まれてくる」のだから。
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